「演劇」と一括りに言っても、さまざまジャンルがあるわけです。
もっと言うと、「演劇」と「芝居」も違う。「舞台」と「ステージ」も違う。
たとえば、大きなところで言うと、
・商業演劇
・小劇場演劇
・大衆演劇
・伝統芸能
とか。
その中にも、
・古典演劇
・近代演劇
があったり、
・エンタメ系(エンターテイメントとエンタメ系は違う。)
・コメディ(コントとコメディは違う。)
・ストレートプレイ(会話劇の意ですが、ストレートプレイと会話劇もおそらく違う。)
・新劇
とか。
・不条理
・アングラ
・小劇場系(小劇場と小劇場系演劇は違う。)
とかとか、
・リアリズム
・シュールレアリスム
・セカイ系
とか、構造的なことも含めるとえげつないくらいのジャンル分けがある。
これ、一つの作品に一つずつ当てはまるわけでないのがむつかしい。
商業演劇―近代演劇―翻訳劇(輸入劇)―ストレートプレイ―不条理 みたいな感じで、
色んなものに当てはまっていく。たとえば、ベケットとかイヨネスコとかを、パルコとかが上演するイメージしてカテゴライズしてみている。
既存の作品とかだと、こういう風にカテゴライズすると、
「だいたいこんな感じ~」ていうのがまずまずわかりやすくなりますよねぇ。
なんか、生物をカテゴライズするときに、
○○界〇〇門○○網○○目○○科○○属○○科ってわけていきますよね。
この感じで演劇って分けられないんかなぁ、ちゃんと。て思ったのです。
というのは、
演劇の良さ・魅力は、「同じ空間に人が集まって、共有できる」ことだったり、同じものができない「一回性」だったり、その空間を共有できる人には限りがあるっていう「限定性」とか。
あと「臨場感」・・・というか、「近くでその人が感じられること」だと思うのです。
「熱」が伝わる、というか、「体温」が感じられる、というか。
でもその一方で、劇場でしか見られないっていうのがデメリットの一つになりえるというのも事実です。
(最近映像配信も多いけど、やっぱり映像は映像なのです。)
「チケット買ってみてみたけど、なんかイマイチやったなぁ・・・」てなることもあると思うんです。
映画とか、ご飯食べに行ってもそういう経験すること多いけど、
映画は1800円。ご飯も1000~2000円くらいの出費だし、
相当気にいらなければ途中で出たり、お残しして帰ることもできます。自由度が非常に高い。
一方で、演劇って、「お残し」がめちゃくちゃしづらくないですか?
特に小劇場演劇だと、一回入ったら外に出るの大変すぎるし、
実際問題、対応できるスタッフが居なかったりする場合もあるかなと思うのです。
あ、もちろん、劇団サイドで手配してる人はいるんですけど、
「お手伝いの人」みたいな意味合いが強くてあくまでも「プロ」ではなくて、対応が遅れてしまったり、周りの人への配慮が不十分だったり、往々にしてあるかなぁ。と。
と、言いますか、本来、演劇の性質上、途中退出が基本的にほぼゼロなので、
単純に長けてない。てこともあります。
途中退場OKとか、大々的に宣伝してるところはその限りではないと思います。
お客さんの方も、できれば最後までみたいと思う気持ちはあれど、
「もう、どーーーしても自分に合わない」てなった時、客席で我慢してなきゃいけない、てことになりますよね。
これって、すごく不健全。
でも、「途中退場全然OKですー!」てなっても、
やっぱ他のお客さんの集中途切れてしまうのは、よろしくないのです。うれしくないのです。
じゃあ、どうしたらいいか。
「途中退場の必要がない状態にすればよい。」てことですよね。
これってどういうことかというと、
「最後までみたい作品」であることが必須なんです。(まぁ、体調崩したとかは仕方ないとして。)
良い作品をつくる、のは、大前提としてあります。もちろん。
というか、「うーん。これ、良くないなぁ」と思って発表する団体はないです。普通。
すごく力のある演出家が、力のある俳優を集めて作品をつくっても、
やっぱり合わないっていう人がいます。
好みや価値観は人それぞれなので、仕方ないことではあるのです。
これって、「お客さんが、お客さん自身の好きな作品を引けなかった」と言い換えることもできます。
「運が悪かったなぁ・・・」で終わらせられる器の大きい人であればいいですけど、
「わ!損した!!」てなってぷんとしちゃう人も当然いらっしゃると思います。(←わたし結構こっちがわ。)
じゃあ。・・・と、話が戻ります。
自分の好きなジャンルの作品が、ちゃんと選べる。というシステム体系があれば、
こういう事態も少なくなるんじゃないかなぁ。と。
で、演劇はじめてみた方も、『「〇〇目○○科」のジャンルの作品はダメやった。』とか、理解できれば、
『はじめてみた演劇がおもしろくなかったから、演劇はもう一生みない』てならないと思うんですよね。
↑これ、実は結構多いと思うんです。演劇って色々で、面白い作品は星の数ほどあるんです。でも、入り口で失敗すると嫌になっちゃう。そんなんもったいないです。
好きなジャンルが見つかれば、そのジャンルの演劇を選んでみることができますよね。
好きなジャンルやから、みた後の満足感は大きくなると思う。
他に興味がわけば、すこし広げて「同じ○○目の、今度は○○科を見てみよう」てこともできるんじゃないかな。
発表する側にとって、客席のご意見ってとてもありがたいものなんです。
毎回、賛否両論あって。辛辣な言葉をいただくこともあって、勉強させてもらったりもします。
ご意見くださる方は、何らかの思いがあって(「次に期待!」とか「団体ガンバレ!」とか)のことだと思いますが、
本編中に嫌な思いをさせていたということでもあるかなと。
中には、「文句(厳しめの感想)をいうのも嫌!」と帰ってしまう方もいて。
その方は、家に帰ってもふつふつと、どこへも当てれない怒りだったり、不満を抱えてるわけで、
それは、いかん。
やっぱり、みるのなら満足したいし、お客さんにはいい顔で帰ってほしいのです。
「あー、みてよかった。」てなってほしいのです。(ハッピーエンドでもバッドエンドでも)
だから、お客さんが満足できるだろうジャンルの作品を選べるための、
カテゴライズ。体系化。
どうかなぁ・・・という。
・・・うーん、演劇界への提案。かなぁ。
これ、圧倒的に一人では無理だし、知識もなさすぎるので、
どうしたらいいかも全然わかんないんですけど。
こういうことがうまくハマっていけたらなぁ・・・・。と思うのです。
これに関して、良い方法やご意見あれば、ぜひ聞かせてください。
多くの人が、もっと演劇を好きになったらいいなぁ。と思うんや。