2018年12月5日水曜日

『劇団四季メソッド「美しい日本語の話し方」(著:浅利慶太)』を読んだよ。

わたしが生まれて初めてみた舞台は、劇団四季の『オペラ座の怪人』でした。

中学のときだったかなぁ。
京都劇場のこけら落とし。どうしてもどうしても見たくって、母に連れて行ってもらった。
そのときはまだ演劇はやっていなかったんですが、
なぜだか演劇をやろうというのは決めていた。なんでだろう。

今年、7月13日に亡くなられた浅利さん。
この本を買ったのは、去年だったかなぁ。二度目のキャッツをみにいったとき。
バタバタしていて、夏になって、秋がきて、
落ち着いた後もなんとなく手に取れなくって、
というのが続いて。今。

ちなみに、劇団四季が設立されたのは1953年の、7月14日。
今年で65周年。という、区切りの年でした。

あと一日・・・あと一日。
と、思うのはまわりだけなのでしょうかねぇ。


・・・しっとりしてしまいました。

内容の大部分は、
発音(イントネーションでなくて。「音」と「発」するの意。発語といった方が良いか)のメカニズム・・・というか、母音と子音のつくりがメイン。
そして、なぜ、大きな声でも聞こえないのか等々の理由を分析しているという感じ。

大変勉強になりました。興味深かった。

特に興味深いのは、
日本の教育では、読み書きはきちんと習うけど、「話す」ことは学ばない。
だからきちんと話すことができる人はほとんどいない。
ということ。

確かに。

有名な話ですが、
独裁者として知られているヒットラー。
軍人さんではなく、もともとは敏腕の政治家さんだったんですが、
演説が超下手で。

きちんとした指導者をつけて、演説の練習をめちゃくちゃしたんだそう。

そして、演説のスキルが上がったら、支持されるようになった。なってしまった。という話。

チャップリンの映画とか、いろいろ誇張して真似されたりしてますが、
あれは練習後の姿のようです。

話し方だけでも、全然印象って変わりますものねぇ。

そしてもう一つ。
日本の読み書き優先の教育によって、「表現するのが苦手」だということ。
そして、「表現」とか「話す」という能力を育てるためには、演劇がとても良いのだ。ということ。

これも有名な話ですが、諸外国の多くは演劇が授業に組み込まれていると言います。
わたしの友人も、大学卒業後にカナダへ留学したのですが、
通っている学校で演劇の授業があったと話してくれました。

「シェイクスピア、はじめて読んだわ・・・」と言っていたけれど、
あなた、演劇部でなおかつ創作評論っていうお堅い学科にいましたよね・・・?
てなったのを鮮明に覚えています。余談です。

そもそも、日本ってその昔、
お手紙の交換で奥ゆかしく恋してたわけですからねぇ。

表現が苦手。ていうの、なんとなくどうしようもないなぁ・・・と思ってしまいます。

だって、
「月がきれいですね」「わたし、死んでもいいわ」で分かり合っちゃいますから。
「黙っておれについてこい」なわけですから。

「おれより先に寝てはいけない」
「めしはうまく作れ」
「いつも綺麗でいろ」なわけですからねぇ。

・・・。

・・・。

・・・。

わかるかい!!!


なんかまじめに考えてたのに最後ちょけて終わってしまいました。

ほんとは俳優のあり方みたいなことも書いてあったし触れたかったんだけどな・・・。