2019年4月14日日曜日

遊劇舞台二月病「Shadow」の稽古場へ行ってみた。



大学の先輩である、中川真一さん・松原佑次さんが主宰する、遊劇舞台二月病
公演間近ということで、お稽古場へお邪魔させていただくことにした。

というのは、実はここ何公演も、スケジュールが合わず観られていないのだ。
先日、劇団大阪新撰組『短編まつり2でも共演させていただいた、古川智子さん(劇団大阪新撰組)、本多信男さん(カラ/フル 劇団大阪新撰組)、中村ユリさん(魚クラブ)も出演されるとのこと。これは劇場で観るしかあるまい。

 ※中村ユリさんは、お昼のお稽古は不在。残念。

ひと月前までは毎日のように通っていた、スタジオガリバーでお稽古があるとの情報を聞きつけ、本番一週間前ピリピリしているであろうお稽古場にのこのこやってきたのである。

 


■遊劇舞台二月病って、こうゆう劇団でっせ。

小劇場をよく観ている方であれば、名前くらいは少なくとも知っているであろう。各劇場の賞を受賞し、演劇関連のイベントにも精力的に参加している。主催の一人である松原さんは、他団体の公演にも引っ張りダコだ。

念のため、ここでは改めて、遊劇舞台二月病のデータを載せておく。

“近畿大学演劇部覇王樹座OB中川真一と松原佑次が立ち上げた、劇団。 実際の事件を類似事件と照らし合わせ、被害者、加害者、傍観者の視点で考察し、各々の無力さを演劇にしている。無力さを知ることは後悔をすることで、演劇という仮想現実での追体験にて後悔を先に立たせ、教訓を得ようと考えている。自らの演劇をブルーカラー演劇と称している。2014年「Night Way苗と上へ」にてウイングカップ4最優秀賞受賞。2016年大阪現代舞台芸術協会プロデュース演劇エキスポに参加。2016space×drama2016にて優秀劇団を獲得。“
HPより。https://nigatsubyou.jimdo.com/
 遊劇舞台二月病の舞台を観たことのある方はご存知だろうとは思うが、割とけっこうへびぃな作風だ。
それぞれ、登場人物の力だけではどうにもできない、どうしようもなさ、喪失感、虚無感。そういった“もやもや”を繊細に描く。だから辛い。ヒリヒリする。

しかし一方で、“演劇らしいカッコよさもある。ここに中川さんは、「ドロ臭さ」を織り交ぜる。
ともすれば、「オーソドックスなシーン」になってしまうが、このドロ臭さによって、俳優の生命力が感じられる。「カッコ悪くてかっちょいい」シーン。この加減が上手い。

今回の作品も、きっと、カッコ悪くてかっちょいいシーンを差し込んでくるだろう。
へびぃでただ後味の悪さを残すだけではない、辛さやどうしようもなさを包んでほんのちょっとだけ押し上げてくれる、ほんのちょっとの爽快感のある作品になることだろうと期待感が膨らんでいる。

■なにはともあれ、お稽古の様子

さて。紹介した通り、まぁまぁへびぃな作品をつくる遊劇舞台二月病。
公演一週間前ということで、軽くビビりながらアトリエへ入ってみたわけだが、一瞬で拍子抜けした。

なんだこの和気あいあいなムードは。

人のお稽古場へお邪魔するとき、割と“お芝居やってますよ感”みたいなものをついつい期待してしまう。

いわゆる、灰皿投げたり怒号が飛び交ったり誰かが泣いたりみたいな、そういうの。

なんせ、あんなにへびぃな作品をつくってるわけだ。そういう、“やってますよ感”が少しくらいあってもいいだろう。

まぁ、あったらあったで、こちらは戸惑う一択なのだが、何故かやっぱり期待してしまう。
が、残念ながらそんなギスギス、チクチクする感はまったくない。

なんて楽しそうな現場だよ。ちくちょう。←嫉妬。


二月病というと、やはり作・演出の中川さん、客演でも活躍する松原さん、の主催二人の名前がまず挙がる。
しかし、二月病はその二人だけでは成り立たない。他のメンバーも絶対に忘れてはいけない。

二月病のチーム力はすごい。チームで作品を支えている
一つのシーンの小返し中も、メンバー全員が演出家の目でシーンをみている。そして、面白いことに、シーンを見ている俳優と、演出・中川さんの、「頷くタイミング」や「首をかしげるタイミング」が同じなのだ。
二月病のお稽古場には、中川真一が多数いる。

それが、二月病のチーム力を高めているゆえんではないか。皆が、演出家の感性で作品づくりをしている。
ゴールは同じ。座組全員が、進むべき方向を理解しているのだ。

とんでもない作品になりそうだ。

公演は4月19日~21日まで、ウイングフィールドにて。



遊劇舞台二月病 第習回公演
Shadow

作・演出 中川真一

【日時】
20194
19日(金)19:30
20日(土)11:30/15:30/19:30
21日(日)12:00/16:00

※受付開始は開演の40分前、開場は開演の30分前。
※上演時間は90分を予定。

【会場】
ウイングフィールド 542-0083 大阪市中央区東心斎橋2-1-27 周防町ウイングス6階

地下鉄堺筋線長堀橋駅7番出口より徒歩3分

【料金】
前売2500/当日3000
学生割引 2000円(※要学生証)
なかよし割(3名)6300円 (※要予約。予約は前日まで。)

【出演】
石田麻菜美
武田真悠
橋本達矢
松原祐次
三村優里花
ルーデルマン大地 (以上、遊劇舞台二月病)

中村ユリ(魚クラブ)
本多信男(カラ/フル 劇団大阪新撰組)
古川智子(劇団大阪新撰組)

【チケット取扱】

【問合せ】
nigatsubyou@gmail.com